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ソラタネについて

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鎖国時代、さまざまな異文化とともに長崎にもたらされた『ビードロ』。柔らかなフォルムと透んだ輝きは人々を魅了し、
長崎から大坂、江戸、やがて日本中に広まっていきました。

和ガラス発祥の地の象徴 クールジャパンな酒器

『ビードロ』とはポルトガル語でガラスのこと。1570年(元亀元年)の開港以来、長崎にはヨーロッパからさまざまなガラス製品が伝来した。
17世紀前半ごろになると、溶かしたガラスを棹に取り、息を吹いて成型する吹きガラスが長崎でも作られるようになる。長崎のガラス職人は、中国の技法も取り混ぜながら日本人の美意識にかなう、はかなく可憐な和ガラスを作り上げていった。
その代表が『長崎ちろり』である。長く途絶えていたが、大浦天主堂のそばに工房を構える『瑠璃庵』の竹田克人さんが復刻。その精緻な技は、息子の礼人(あやと)さんに引き継がれている。

弧を描くような極端に長い注ぎ口。しっとりとした艶のある瑠璃色。冷酒用の酒器として作られた長崎ちろりは、なぜこんな形をしているのだろうか。
「冷蔵庫もエアコンもない時代、どうやって冷たさを感じさせるかというと、まず色ですね。水や海を思わせる深いブルーで冷涼感を出したんです。次に注ぎ口。触ると割れそうな緊張感が漂う注ぎ口にすることで、ひやりとする涼しさを演出したのでしょう。江戸人の粋でクールな遊び心が見て取れます」と克人さん。

しかし、そのビードロは熱い炎から生まれる。どろどろに溶けたガラス種を棹に取り、全神経を集中させて息を吹き込む。息を吹き込まれたガラスは、命を与えられたかのように液体から固体へと形を自在に変え、ふいに生き生きと輝き始める。この道20年になる礼人さんをもってしても、ときに予測を超えたものが生まれる。そこもまた、長崎ビードロの魅力であるに違いない。

瑠璃庵

日常雑器から工芸品まで幅広く制作するガラス工房。現在は礼人さんがおもに吹きガラスを手掛け、克人さんはライフワークであるステンドグラスの研究に取り組んでいる。吹きガラス(¥3,240)、万華鏡(¥2,160)、オリジナルペンダント作り(¥2,160)などの体験も随時受付中。

  • 長崎市松が枝町5-11

  • 095-827-0737
  • 9:00〜18:00(体験受付〜17:30)

  • なし

グラバー園

旧グラバー住宅など明治期の洋館を移築復元。出口前の売店では、ペーパーウェイト(¥2,160)などグラバー園限定の『瑠璃庵』オリジナル製品を販売。

  • 長崎市南山手町8-1

  • 095-825-7739
  • 8:00〜18:00(売店は8:15〜、季節により変動あり)

  • なし

  • なし

雲仙ビードロ美術館

19世紀のボヘミアンガラスや江戸期の吹きガラスに加え、柿右衛門などの陶磁器、絵画を幅広く収蔵。事前予約なしでガラス作り体験ができる。

  • 長崎県雲仙市小浜町雲仙320

  • 0957-73-3133
  • 9:00〜18:00(体験受付〜16:00)

  • なし

  • 50台(無料)

御厨ガラス工房

大村でガラス器制作に取り組む御厨正敏さんの工房。文様シリーズや、カシス紅が高評価を得ている。約20年前から『長崎びいどろ』復元にも情熱を注ぐ。

  • 長崎県大村市野岳町1432-1

  • 0957-55-1258
  • 事前予約のみ

  • 不定

  • 3台(無料)

ホテルオークラJRハウステンボス

1階のショップ『ル・ボンマルシェ・ド・ラフォーレ』では長崎の人気の品をラインナップ。手作りの長崎ビードロの盃やゴブレットなども取り扱っている。

  • 長崎県佐世保市ハウステンボス町10

  • 0956-58-7111
  • 7:00〜22:00(季節により変動あり)

  • なし

  • 180台(無料)

板前料理 堂山

崇福寺近くの日本料理店。店主の堂山裕志さんが『瑠璃庵』に別注したガラスの盃と先付けで始まるコースは、おまかせのみ(¥11,000〜)。

  • 長崎市鍛冶屋町7-55

  • 095-823-7811
  • 18:00〜22:00(季節により変動あり)

  • 不定

  • なし

2017年8月1日時点の情報です

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