ホーム

ソラタネについて

連載コンテンツ

独特の風合いが出る『黒柿』を使ったリビングチェストは人気が高い一品。美術展や工芸展に出品するために製作した『神代(じんだい)杉』などの希少な木材を使った木箱は、緻密なデザインが高く評価されている。

隠れた部分に技を込め木材だけで組み上げる

森林が75%の面積を占める、自然豊かな人吉・球磨。恵まれた樹木を使い、古くから木工業が盛んに行われてきた。何百年、何千年と球磨の地で生き続けてきた銘木から作られる伝統工芸品のひとつが、『人吉家具』だ。
鉋(かんな)と鑿(のみ)で削った木材を、匠の技で組み合わせて作り上げる。とりわけ特徴的な技術が、接合するための『剣留め工法』。木口を剣先のような三角形に細工して木材同士をピタリと合わせることで、見た目にも美しい家具ができ上がる。

その数少ない人吉家具の作り手の一人が、『人吉伝統家具 やまがみ』の山上貢司(こうじ)さん。1914年(大正3年)に開業した祖父の代から跡を継ぐ三代目だ。販売用の家具を製作する傍ら、『日本工芸会正会員』として全国の工芸展や美術展に木工作品を出品し、数々の入選・入賞歴を誇る。「家具には、30年から長いものでは100年以上寝かせた(乾燥させた)木材を使います。十分に乾燥していないと、長く使い続けていくうちに温度や湿度の具合で隙間や歪みが生じてしまう。木は家具としてその姿を変えてもなお、生き続けているのです。木材の乾燥度合いや木目などを指で触って、見て、じっくり確かめながら、あとは長年の経験と勘で調整していく。親から子、孫の代まで使い続けられるように。そこが私の腕の見せどころでしょうか」と山上さんは語る。
使用する木材には、1枚あたり100万円を超えるような高価なものもあるという。近年、木材加工業者が減少し、材料の仕入れも容易ではないため、木材への熱意はひとしおだ。こだわりの素材と山上さんの熟練した技術が作り出す人吉家具。それはひとつひとつが、世界に二つとない作品でもあるのだ。

人吉伝統家具 やまがみ

『人吉クラフトパーク石野公園』横に工房兼ギャラリーを構える。家具は受注生産をはじめ、ギャラリーの展示品も購入可。家具のほか木工製品も販売している。年に1回、熊本市の『熊本県伝統工芸館』で個展を開催。2017年は、10月10日(火)~15日(日)10:00~17:00(最終日は~16:00)。

  • 熊本県人吉市赤池原町1414-2

  • 0966-24-2631
  • 10:00~17:00

  • 20台(無料)

人吉家具展示スポット

熊本県伝統工芸館

木工品や染織物、刃物など、熊本県の指定を受けた伝統工芸品約80品目を展示。作品は館内のショップ、webショップからも購入(発注)できる。

  • 熊本市中央区千葉城町3-35

  • 096-324-4930
  • 9:00~17:00

  • 月(祝の場合は翌日)

  • 無料(2Fは一部有料)

  • 20台(無料)

2017年9月1日時点の情報です

関連記事

琉球生まれ、大分育ちの貴重な畳素材

気高さを秘めた緻密な模様に心打たれる

もっと見る