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べっ甲の中でも、『長崎べっ甲』は最も歴史が古く、その伝統技術は現代まで脈々と受け継がれている。水と熱、そして職人の技術が作り出す、なめらかな質感と光沢は、今も昔も人々の心を捉え続けている。

悠久の時と海を越え長崎から日本中に伝承

独特の色合いと模様が美しいべっ甲。ウミガメの一種『タイマイ』の甲羅を原材料にして作られる工芸品だ。始まりは6世紀の中国、隋の時代といわれている。日本では江戸時代に貿易港だった出島を通じて、長崎でべっ甲が作られるようになり、技術が高く評価された。1957年(昭和32年)には、『江崎べっ甲店』の6代目江崎栄造氏が、べっ甲業界で唯一『無形文化財』の指定を受けた。そして2017年(平成29年)1月、『長崎べっ甲』は伝統工芸品に指定され、価値が改めて見直されている。
べっ甲は“水と熱のアート”ともいわれる。タイマイの甲羅の厚さは1~5㎜と薄い。それを何枚も重ねて水と熱を加え圧縮することで接着し、厚みを出す。丸みや優美な曲線は、熱を加えてしならせ、削って表現する。しかし、近年はタイマイが輸入禁止になり、業者や職人が激減。
その貴重な職人の一人が『観海(かんかい)べっ甲店』の観海安幸さん。15歳でこの世界に弟子入りし、50年以上べっ甲を作り続けている。
「べっ甲はいろんな作品を作り出せるのが魅力。そこに我々職人のセンスや技術が生きてきます」と観海さん。来店客一人一人に、原材料や製法について丁寧に説明するその姿から、伝統を受け継ぐという責任と誇りが感じられた。

観海べっ甲店

オランダ坂近くにある工房兼店舗。観海さんは30年の修業を経て1989年(平成元年)に独立し、この店を構えた。実際に製作している風景を見学することもできる。手ごろな商品から高価なアクセサリー類、置物類まで販売し、県内だけでなく全国からリピーターが訪れる。

  • 長崎市大浦町5-47

  • 095-825-2728
  • 9:00~18:30

  • 不定

  • なし

長崎べっ甲取り扱いスポット

江崎べっ甲店

江戸時代に創業した日本で最初のべっ甲店。店舗は国の登録有形文化財に指定される。商品が並ぶ店内には、べっ甲資料館も併設。

  • 長崎市魚の町7-13

  • 095-821-0328
  • 9:00~17:00

  • なし

  • 10台(無料)

川政べっ甲(長崎歴史文化博物館 伝統工芸体験工房)

べっ甲細工の販売のほか、製作の見学や体験ができる。体験は6名から予約受付け。空いていれば飛び入りも可(1人¥1,300~)。

  • 長崎市立山1-1-1

  • 095-818-8366
  • 9:00~16:00(12:00~13:00は休み)

  • 62台(有料※長崎歴史文化博物館駐車場)

べっ甲細工 まるとみ

時代に合ったべっ甲の製作、WEB販売を行う。珍しいべっ甲の印鑑も販売する。お祝いの贈り物に最適だ(写真は『吉祥印』¥54,000~)。

  • 長崎市五島町8-5

  • 095-821-0103
  • 9:00~18:00

  • 日祝

  • 10台(無料)

長崎市べっ甲工芸館

べっ甲細工技術の保存を目的として、昭和に製作された作品を中心に貴重な233点を展示。ビデオ上映や不定期でワークショップも行う。

  • 長崎市松が技町4-33

  • 095-827-4331
  • 9:00~17:00

  • 12/29(金)~2018年1/3(水)

  • 一般¥100、小中学生¥50

  • なし

2017年12月1日時点の情報です

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