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ソラタネについて

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『薩摩焼』とは、鹿児島県内で生産される陶器のこと。ひと口に『薩摩焼』といっても、白い花瓶や黒い湯呑みなど、色や種類もさまざま。それには、鹿児島の歴史と陶工たちによる、独自の発展が深く関係している。

400年の歴史を経て発展を遂げる薩摩の器

『白もん』と呼ばれる白く豪華絢爛な『白薩摩』と、『黒もん』と呼ばれる黒く質実剛健な『黒薩摩』。薩摩焼は、相反する2種の陶器が共存する類(たぐ)い稀(まれ)な焼き物だ。
その歴史は文禄・慶長の役の際、島津家17代当主・島津義弘が朝鮮陶工を連れ帰ったことに始まる。島平(いちき串木野市)、神之川(日置市東市来町)、前之浜(鹿児島市)に上陸した陶工が各地で開窯、『竪野(たての)系』『龍門司(りゅうもんじ)系』『苗代川(なえしろがわ)系』という異なる作風の系統を生み出し、今に伝えている。
『白薩摩』は、かつて薩摩藩主専用とされ、淡いクリーム色の生地に透かしや模様が描かれるのが特徴。一方、『黒薩摩』は庶民の日用雑器で、焼酎を燗付けする『黒じょか』と呼ばれる黒い土瓶が代表的だ。
県下最大の生産地・美山(みやま)では、12の窯元が作品を生み出す。そのうちのひとつ、『荒木陶窯』は串木野に上陸し、苗代川(現在の美山)に窯を築いた朴家の末裔。現在は14代の荒木幹二郎さんと15代の秀樹さんが『苗代川焼』の伝統を繋ぐ。「昔の模倣ではなく、創作をしたい」と語る秀樹さん。芸術大学で彫刻やアートを学んだ経験から薩摩焼には珍しい“彫り”の技術を取り入れる。
400年の伝統を背負いながら、新たな作風を吹き込む秀樹さんのように、薩摩焼はこれからも進化を遂げることだろう。

苗代川焼 荒木陶窯

『苗代川系』の伝統を受け継ぐ窯元。先代の思いを現在に伝えるために、『苗代川焼』の名を商標登録した。14代荒木幹二郎さんは日本伝統工芸展などで数々の入賞歴を誇り、生活雑器としての『黒もん』を芸術品の域に高めた功績が評価されている。作品の展示販売も行う。

  • 鹿児島県日置市東市来町美山1571

  • 099-274-2733

  • 8:30~17:00

  • 12/31(月)~2019年1/2(水)

  • 8台(無料)

薩摩焼取り扱いスポット&イベント

美山陶遊館

窯元やオリジナルの作品を販売するほか、陶芸体験が人気。ろくろ体験、手びねり体験など(¥1,510~※送料別、要予約)があり、初心者もOK。

  • 鹿児島県日置市東市来町美山1051

  • 099-274-5778

  • 8:30~17:00

  • 月 (祝日の場合翌日)

  • 10台(無料)

鹿児島県歴史資料センター 黎明館

鹿児島の歴史、考古、民俗、美術、工芸に関する資料を収蔵・展示。12月25日(火)~2019年2月24日(日)、企画特別展『華麗なる薩摩焼』を開催。

  • 鹿児島市城山町7-2

  • 099-222-5100

  • 9:00~18:00(最終入館17:30)

  • 月 ※2018年内は臨時開館

  • 常設展示一般¥310ほか

  • 125台(無料)

長島美術館

高台に位置し、桜島や市街地を一望。絵画や彫刻などの美術品を所蔵し、地下の常設展示室では『白薩摩』と『黒薩摩』に分けて展示する。

  • 鹿児島市武3-42-18

  • 099-250-5400

  • 9:00~17:00(最終入館16:30)

  • 火 (祝日の場合翌平日)

  • 一般¥1,000ほか

  • 200台(無料)

美山窯元祭り

11月2日(金)~4日(日)に開催。陶器の販売をはじめ、ろくろや手びねり体験などが開催され、毎年6万人以上の人出で賑わう。

  • 鹿児島県日置市東市来町美山地区一帯

  • 099-274-2112(美山窯元祭り実行委員会)

  • 9:00~16:00

  • 臨時駐車場あり(¥300/1日)

2018年11月1日時点の情報です

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