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美しい幾何学模様や植物の模様が施される『肥後てまり』。江戸時代に誕生して以来、色や柄などのデザインが進化。玩具として遊ばれることが少なくなった現代では、工芸品として親しまれている。

肥後のてまり歌を生んだ江戸時代から伝わる玩具

「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ…」。誰もが知っているこの有名な歌は、肥後てまりに由来した“てまり歌”。江戸時代前期、城勤めの女中たちの手なぐさみとして作られたのが肥後てまりの始まりといわれる。明治にゴムまりが普及して一時は姿を消していたが、1968年(昭和43年)に『肥後てまり同好会』が誕生し、技術が継承された。
肥後てまりの素材は、ヘチマ、脱脂綿、糸(木綿糸、刺しゅう糸)といたってシンプル。ヘチマを芯にして脱脂綿で包み、木綿糸を巻き付けて真っ白な土台を作る。そこに金や銀の糸で基礎線を入れ、鮮やかな模様を縫い付けていく。土台や基礎線に歪みがあると、肥後てまりの美しさは半減してしまう。いかに均等に模様を施せるかが、作り手の腕の見せどころだ。
『肥後てまり同好会』の現会長・鶴田美知子さんは、手際よく模様を縫い付けながら、「てまりの模様には正解がありません。色や線を変えることで無限に模様ができるので、新たなてまりを作るのが毎回楽しみ。でき上がった作品それぞれに個性があるんですよ」と教えてくれた。その昔、肥後てまりは女児への贈り物として母や祖母が手作りしたという。作り手の愛情がこもった肥後てまりは、華やかな見た目とともに幸福を与えてくれるようだ。

『肥後てまり同好会』 鶴田美知子さん

『肥後てまり同好会』を立ち上げた後藤 照氏に師事し、現在は会長を務める。2018年(平成30年)、第28回くまもと県民文化賞の本賞を受賞。制作だけでなく、熊本県伝統工芸館での講座やくまもと工芸会館での実演も行い、『肥後のつりてまり』の講師も担当する。

  • 非公開

  • 096-324-4930 ※問い合わせは熊本県伝統工芸館まで

肥後てまり取り扱いスポット&イベント

くまもと工芸会館

伝統工芸品を展示。肥後てまり等の工芸品の制作を見学できるほか、体験もできる。

  • 熊本市南区川尻1-3-58

  • 096-358-5711

  • 9:00~17:00、2・3Fは9:00~21:00(実演スケジュールはHPを参照)

  • 月(祝の場合翌日)

  • 50台(無料)

熊本県伝統工芸館

“手で観る・市の立つ・誂(あつら)えのきく”をテーマに、作品を手に取り観ることができる工芸館。『工芸ショップ匠』では工芸品の購入も可。

  • 熊本市中央区千葉城町3-35

  • 096-324-4930

  • 9:00~17:00

  • 月(祝の場合翌日)

  • 20台(無料)

第13回肥後のつりてまり

市民によって作られた肥後てまりを『下通商店街アーケード』に展示するイベント。3,000個以上の個性的な肥後てまりに魅了される。

  • 11/29(金)~12/1(日)10:00~20:00 ※日のみ16:00まで

  • 熊本市中央区下通商店街アーケード内

  • 近隣の有料駐車場を利用

2019年10月1日時点の情報です

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