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自然と地域が密接に結びつく国東半島・宇佐地域は2013年(平成25年)に世界農業遺産に認定。そのおもな産物が『くにさき七島藺表(しちとういおもて)』。国の地理的表示保護制度(GI)にも登録され、価値が見直されている。

強度が高く肌触りも抜群 使い続けるほど味が出る

『七島藺』という言葉を聞いて、ピンと来る人はそう多くないかもしれない。大分県国東(くにさき)半島で栽培されるカヤツリグサ科の植物で、畳表の材料になるもの。畳といえば『イグサ』が有名だが、七島藺はそれよりも強度があり、使うほどに艶(つや)と風合いが出るのが特徴だ。江戸時代に豊後(ぶんご)の商人が琉球から大分に持ち帰ったといわれ、近年人気の『琉球畳』は本来この七島藺を使ったもの。かつては国東だけでなく県内の各所で生産され、昭和32年頃には年間550万枚もの七島藺の畳表が全国に出荷されるほど日本の暮らしを支えていた。しかし七島藺は苗が不ぞろいで、生え方が密集していることから植え付けや刈取りは手作業が基本。イグサのように機械化できないことから生産量は徐々に減り、今では国東市内の農家6軒でしか栽培されていない。
「貴重な素材だからこそ、日々の暮らしの中で多くの人に使ってほしい」と、七島藺を使った雑貨やアクセサリーを制作するのは、七島藺工芸作家の岩切千佳(いわきりちか)さん。畳表の素材として規格外になった七島藺を身近な工芸品に加工。ワークショップや収穫体験など、伝統を伝えるためにイベントも企画する。七島藺の茎をひと目ひと目編み込みながら作品を作るように、途絶えつつあった伝統を未来へと紡いでいく。

七島藺工房 ななつむぎ

七島藺工芸作家として活躍する岩切千佳さんの工房。アクセサリーや鍋敷きなどの親しみやすい工芸品を制作する。「七島藺の良い面だけでなくデメリットも知ったうえで使ってほしい」という思いから作品はほとんど受注販売。

  • 大分県国東市安岐町明治522

  • 非公開

  • なし

七島藺取り扱いスポット

富貴寺(ふきじ)

現存する九州最古の木造建築物で、国宝指定されている。阿弥陀如来(あみだにょらい)座像が鎮座する大堂では、足元に七島藺の畳を見ることができる。

  • 大分県豊後高田市田染蕗2395

  • 0978-26-3189

  • 8:30~16:30

  • なし

  • 高校生以上¥500、小中生¥150

  • 30台(無料)

七島藺学舎

七島藺の歴史や畳表になるまでの工程を学び、制作体験ができる資料館。利用は完全予約制となっており、1~5人の利用で1人¥5,000。

  • 大分県国東市安岐町富清

  • 0978-65-0800(くにさき七島藺振興会)

  • 9:00~17:00

  • 不定 ※要問い合わせ

  • 10台(無料)

2020年3月1日時点の情報です

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