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九州3大祭りのひとつ、『八代妙見祭』の舞台でもある熊本県八代市宮地地区で作られる『宮地手漉和紙』。この地で400年以上続く、長い歴史をもつ和紙には、手作業ならではの温もりと気品が漂っている。

実用品から嗜好品まで日本の暮らしに根付く紙

町の中央に川が流れ、美しい水路の風景が広がる八代市宮地地区。豊かな水に恵まれたここは、かつて“紙漉(かみす)きの里”と呼ばれ、和紙作りが盛んに行われていた。
1600年頃、柳川藩の“御用紙漉(ごようかみす)き”を務めていた矢壁新左衛門(やかべしんざえもん)により、宮地手漉和紙の制作が始まったといわれる。新左衛門の出身地である越前の技術で漉かれる和紙は高級紙とされ、江戸時代には幕府や宮家への献上品に。明治の初めには100軒以上で紙漉きを行っていたが、生活様式の変化で需要が減り、宮地地区の紙漉きも徐々に減っていった。
そんななか、現在、唯一紙漉きを行うのは、新左衛門の一族である矢壁政幸(まさゆき)さん。矢壁家は代々御用紙漉きを専業に行っていたが、時代の流れとともに父の代で廃業。矢壁さんは大学職員として勤める傍ら、和紙の研究を重ね、「紙漉きを後世に繋げなければならない」と、退職後、本格的に技術の保全に取り組んでいる。
模様入りやカラフルな和紙作りにも挑戦する矢壁さん。「付加価値を付けることで和紙の素晴らしさを広く知ってもらいたい」と話す。その思いが繋がり、崇城大学芸術学部デザイン学科の学生が宮地手漉和紙を使ったアクセサリーやランプを作るなど、新たなモノ作りも始まっている。

矢壁政幸さん

宮地手漉和紙の唯一の職人として活躍。水玉のような模様の『水玉紙』、マーブルのような模様の『墨流し』などの技法を使い、アート作品のような美しい和紙を制作。年に1回は個展を開催して作品を披露し、地元の子どもたちに向けた手漉き体験の指導にも当たる。

  • 熊本県八代市妙見町2473-1

  • 0965-34-8332(訪問前に要確認)

宮地手漉和紙取り扱いスポット

八代市立博物館未来の森ミュージアム

旧八代城主松井家所蔵の美術品や、八代の歴史と文化を紹介。宮地手漉和紙のハガキにオリジナルスタンプを押したものを販売(1枚¥130)。

  • 熊本県八代市西松江城町12-35

  • 0965-34-5555

  • 9:00~17:00(最終入館16:30)

  • 月、年末年始

  • 一般¥310、高大生¥200、中学生以下無料 ※特別展中は別料金

  • 40台(無料)

熊本県伝統工芸館

宮地手漉和紙など、熊本県の指定を受けた約90品目の伝統工芸品を展示。常設展示室のほか、3つの貸し展示室で催しを開催する。

  • 熊本市中央区千葉城町3-35

  • 096-324-4930

  • 9:30~17:30

  • 月(祝の場合翌日)

  • 無料(2Fは一部有料)

  • 20台(無料)

2020年4月1日時点の情報です

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