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風情ある豆田町の一角。

さて、豆田町散策に戻ろう。ここは、江戸時代、天領として発展した日田のなかでも、特に風情ある町並みが色濃く残る地域。国の『重要伝統的建造物群保存地区』に選定されており、日田が九州の小京都とも称される所以(ゆえん)だ。
その豆田町で、名水とともに歩んできたのが『薫長(くんちょう)酒造』。歴史ある蔵が今もそのまま利用されており、もっとも古い蔵は1702年(元禄15年)築というから、300年以上この地を見守ってきたことになる。酒蔵見学や試飲ができるほか、併設のカフェでは『吟醸アイスクリーム』、隣接するパン工房では酒粕を使ったあんパンが人気と、酒を余すことなく活用している。
購入した酒を小脇に抱えながら歩いていると、これまた雰囲気のある建物と出合った。かつて万能薬『日本丸(にほんがん)』を製造し、富を築いた商家『岩尾薬舗』。その建物を利用した資料館『日本丸館』だ。『日本丸』は、当時爆発的な人気を誇り、国に零戦を1機寄付するほど莫大な財をなしたというからすごい。製薬資料などの展示をはじめ、華やかな商家の暮らしぶりがわかる大広間や“豆田の天守閣”と呼ばれる展望楼もあり、木造4層3階建ての迷路のような館内を巡ると、童心にかえったようで胸が躍る。

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『五色のこはぎ』に抹茶2杯が付いた『五人囃子』
(¥1,500)。『五色のこはぎ』のみは¥600。

ここでちょっとひと息。半世紀以上続く『手造りおはぎ 田舎庵』へと立ち寄った。一番人気という『五色のこはぎ』は、ころんとかわいい小ぶりのおはぎ。あんこ・梅こはぎ・黒ゴマ・抹茶きなこ・きなこの5色で、梅は大山産、きなこは天瀬産と、日田らしさも散りばめられている。口に入れると優しい甘さ。餅も自家製で、米の良い香りがプンプンする。あんこは、店主の橋本好子さんが母親から受け継いだ味。「あずきを煮る時はつきっきり。本当に手間がかかるんですよ」と橋本さんは苦笑いするが、かけた手間はちゃんと味に出るもの。優しい甘さの奥にある安心感がこのおはぎの魅力だ。
散策の最後は、みやげ探しに雑貨と家具の店へ。『Life design shop Areas(エリアス)』は、日田のものづくりを伝えようと、デザイナーである仙﨑雅彦さんがオープン。このあたりは元々、豊富な森林資源を利用したものづくりが盛んな地域でもあるが、店内には現代の日田工芸ともいうべき既成の枠に捉われない作品が並ぶ。日田下駄からソファなど品ぞろえは多岐にわたり、ほとんどがオリジナルのmade in HITA。日田のものづくりの進化を期待させてくれる一軒だ。

SPOT(C)薫長酒造

  • 大分県日田市豆田町6-31

  • 0973-22-3121

  • 9:00~16:30

  • なし

  • 入館無料

  • 15台(無料)

  • 大分空港より車で約90分

SPOT(D)日本丸館

  • 大分県日田市豆田町4-15

  • 0973-23-6101

  • 10:00~16:00

  • 6/1~8/31、12/1~2/14
    ※公開期間外の見学希望は応相談

  • 大人¥350、小中高校生¥250

  • なし

  • 大分空港より車で約90分

SPOT(E)手造りおはぎ 田舎庵

  • 大分県日田市豆田町146-1

  • 0973-24-7182

  • 10:00~18:00(LO17:30)

  • 不定

  • 18席(禁煙)

  • なし

  • 大分空港より車で約90分

SPOT(F)Life design shop Areas

  • 大分県日田市豆田町7-20

  • 050-1048-7757

  • 9:30~19:00

  • 不定

  • なし

  • 大分空港より車で約90分

2018年10月1日時点の情報です

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