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『長小野湧水』には、鳴滝と塩井の2か所がある。鳴滝は、『鳴滝神社』の境内にあり、滝の中には祠も祀られている。

昨日、出会った人々にまちの魅力を尋ねると、ほとんど異口同音に「水がいい」と答えた。自然豊かな竹田は名水の里として知られるが、それほどまでか、と俄然興味が湧いてきた。翌朝は、『竹田湧水群』へと向かう。
『竹田湧水群』は、阿蘇山系の伏流水が豊富に湧き、その透明度、味わいともに評価が高い。この辺りには、ヤマメなどの川魚(エノハと呼ぶ)を使った『エノハ料理』という郷土料理があるが、きれいな水があってこその味だ。
『竹田湧水群』のなかでも、入田地区は特に人気の高い地域で、随一の湧水量を誇る『河宇田(かわうだ)湧水』をはじめ、5つの湧水地が点在している。特異なのは『長小野(ながおの)湧水(鳴滝)』。うっそうと木々が生い茂る森の中にあり、岩肌を清水が流れ落ちるさまは、湧水というより、まさしく滝だ。その立地もあって水汲みに訪れる人は少ないが、不治の病が治ったという伝説も残る湧水で、神秘的な景観は一見の価値がある。
『泉水(せんすい)湧水』は、まろやかで九州一の水という人もいる。サラサラと流れる水は澄み、水面は鏡のように空と周囲の緑を映す。水汲みに来ていたおばあちゃんに話しかけてみたら、数百mしか離れていない場所でも水の味が異なると言う。「どこの水が一番美味しいですか?」そう尋ねると、「あなたが一番美味しいと思う水が一番美味しかよ」と、禅問答のような返答。一瞬の間を置いて、「ですよね」と笑ってしまった。
そんなやりとりの最中も、多くの人が水を汲みにやってくる。この地域では昔から当たり前のように繰り返されてきた光景だろう。水を買うのが当たり前になってきた昨今では、この当たり前はなんとも贅沢だ。竹田の読み方は、“たけだ”でなく、“たけた”と濁らない。この清らかな水もまた、10年先、20年先も濁らず澄んだままでいてほしい。そう願うばかりだ。

SPOT(G)竹田湧水群

2019年4月1日時点の情報です

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