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江戸時代には城下町として栄え、
今も国宝・犬山城が泰然と町を見守り続ける犬山市。
古き歴史の面影が残るこの町は、
記憶にも記録にも残しておきたい情景の宝庫。
いくつもの時代を経て、今なお私たちを魅了し続ける犬山市を旅する。

木曽川のほとりに立つ古城 不変の雄姿が歴史を紡ぐ

やっと出会えた――。初めてこの城を目にした際の、率直な気持ちだった。数ある城や城跡のなかでも、特に訪れたいもののひとつだったが、これまでなかなか機会に恵まれなかった。長年の想い人とようやく出会えた心地だ。
『犬山城』は、姫路城や彦根城などとともに天守が国宝指定されている5城のひとつで、天守は現存する日本最古の様式。1537年(天文6年)、織田信長の叔父・織田信康による築城とされ、標高80mの山上に立ち、城の北には大河・木曽川が流れる“後堅固(うしろけんご)の城”だ。この地は古来より交通の要衝で、かつては織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑もこの城を巡って争った。戦国の潮流に揉まれ続けた城である。

激動の時代を乗り越えた国宝は、今も町を見守り続ける

江戸時代からは、尾張藩付家老(つけがろう)の成瀬氏9代が城主を務め、明治を迎えた。驚いたのは、この城は2004年(平成16年)まで成瀬家が所有していたこと。『犬山城』は個人が所有する日本で最後の城でもあったのだ。
同じ愛知県の名古屋城や、ともに国宝である姫路城のような派手さはない。が、そこがいい。天守は重厚な“気”をまとい、廊下は歩けばギシギシときしむ。侵入者を阻む石落としや狭間(さま)を見れば、思い浮かぶのは甲冑姿のもののふたちが荒ぶる有事の情景。豊臣秀吉と徳川家康が対峙した小牧・長久手(ながくて)の戦いの折には秀吉も入城したといい、天守から城下町や濃尾平野(のうびへいや)を望めば、ちょっとした天下人気分。幾多の戦乱をくぐり抜けてきた古城は、歴史ロマンの宝庫である。

SPOT(A)犬山城

  • 愛知県犬山市犬山北古券65-2

  • 0568-61-1711(犬山城管理事務所)

  • 9:00~17:00(最終入城16:30)

  • 12/29~31

  • 大人¥550、小中学生¥110

  • 近隣に複数あり(料金は駐車場により異なる)

  • 名鉄犬山駅より徒歩20分

2019年12月1日時点の情報です

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