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気候がよく、薄着でも心地よく過ごせる冬の沖縄。
観光客も少なく実はねらい目だ。
世界的ガイドブックでも紹介されている慶良間諸島の座間味島は、
ホエールウォッチングの最盛期。
海開き直前の沖縄の、この季節の楽しみ方を紹介する。

三日月のごとく弧を描く透き通る海、白い砂浜

何度訪れても、沖縄は楽しい。飛行機が高度を下げて滑走路へ近づく時、写真集の表紙を飾っていたのと同じ青色の海と白い砂浜に毎回目を奪われる。
島旅ブームとなって久しいが、有人・無人あわせて160もの島からなる沖縄は、本島を拠点にさまざまな島へ足を延ばせる。今回は慶良間(けらま)諸島のひとつ、座間味島(ざまみじま)へと向かうことにした。
空港から北へ向かい、車で走ると10分ほどで泊(とまり)港だ。窓口で、往復のフェリー代と¥100の『美(ちゅ)ら島税』を支払う。環境美化や環境保全のために使われるそうだ。自然は人の手によって、守られ続けなくてはならない。
高速船『クイーンざまみ3』は岸を離れると、ぐんぐんスピードを上げ、水上を滑る。都会的な那覇の街はどんどん後ろに下がっていく。200人は乗れる高速船だが、ハイシーズンになれば、ほぼ満席になるそうだ。この日は途中、天然記念物・ケラマジカが棲む阿嘉島(あかじま)にいったん立ち寄った。その15分後に座間味港に到着した。
ブォーッという汽笛の音が、静かな島に響き、島の隅々へ消えていく。港には赤い屋根の建物が並び、後ろには南国の島らしい、青々とした緑豊かな山がデンと構えている。
港を中心に広がるのが座間味地区で、民宿や飲食店などが多数点在する。村唯一の信号を過ぎ、歩いて宿へと向かう。この一本道は座間味のメインストリート。役場も小中学校もこの通り沿いだ。曲がり角をのぞくと、のんびり昼寝をする猫と目が合った。
「初めて来たのだったら、古座間味(ふるざまみ)ビーチに行くといいよ」と宿のお母さんにすすめられ、荷物を解くと早々に宿を出た。周囲は約23kmと一日で十分回れるが、集落を離れるとほとんどが山だ。効率よく見て回りたいのならレンタカーを借りるのがいい。エンジンを唸らせて坂を上り、さらに下ると木々の合間から少し海が見えた。
今まで見たことがない青さだった。赤道付近のリゾートでしか会えないと思っていた美しさ。海水は限りなく透明で、青のグラデーションの帯が続く。
裸足で砂浜へ下りると、サラサラとした白い砂が心地よい。腰を下ろせばシーズンオフの突然の客に驚いてか、砂とほぼ同じ色の、小さなカニが逃げていった。パンフレットの写真ではパラソルがビーチを色鮮やかに染めていた。海開き前のこのシーズンだけの静けさ。海と海に棲む生き物が生む天然色のシャワーを全身に浴びた気分だ。

2020年3月1日時点の情報です

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