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ソラタネについて

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海あり山あり、肉も魚もすこぶる旨く、
極上の湯はとめどなくあふれる“おんせん県”大分。
その中心部である大分市と観光都市・別府市は、
知る人ぞ知るアートの町でもある。
かつて南蛮文化が花ひらき、
今も多彩な感性を育み続けるこの町の
創造性と進取の気性に触れてみよう。

町はアート建築の宝庫。立ち並ぶ才能と感性を巡る

大分という地は、いつだって旅人を魅了してやまない。しかも今回は趣向を変えてアートくくり。いつになく心が躍るのは、未知への期待だろうか。
大分空港から車で約1時間。大分市にある『大分銀行 赤レンガ館』は、1913年(大正2年)、東京駅なども手掛けた名建築家・辰野金吾(たつの きんご)氏が設計し、旧二十三銀行本店として建てられたもの。1966年(昭和41年)まで大分銀行の本店として使用され、現在もATMなど銀行機能の一部が残る。一昨年にリニューアルした館内は、明治・大正・昭和・平成という4つの時代を感じさせるデザインが特徴。館内には『Oita Made Shop 赤レンガ本店』と『タウトナコーヒー 赤レンガ店』を併設し、選りすぐりの大分みやげを買ったり、ちょっとひと息入れるにも良い。
大分市のアートを語るのに外せない人物といえば、大分市出身の世界的建築家で、昨年、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎 新(いそざき あらた)氏だ。その磯崎氏の傑作といわれる『アートプラザ』は、もとは『大分県立大分図書館』として1966年(昭和41年)に完成した建物。現在は芸術文化の複合施設として活用され、ギャラリーやイベントスペースがあるほか、磯崎氏が手掛けた建築作品の模型や資料などを展示している。この建物は用途変更や改装を想定した設計思想を取り入れており、図書館から創作活動の場、文化交流の場への生まれ変わりは、“成長する建築”という磯崎氏の理念を体現しているかのようで興味深い。

意外な所では、大分県庁舎も名建築である。安田 臣(かたし)氏を代表とする建設省九州地方建設局設計の本館は、日本で唯一、県庁舎として日本建築学会賞を受賞した建物。西側の外壁は彫刻家・流 政之(ながれ まさゆき)氏による巨大なレリーフで飾られており、見応えがある。
『大分県立美術館』は、大分県庁から車で5分ほど。大分ゆかりの作家の作品を中心にさまざまなコレクション展や企画展を行う美術館で、設計は坂 茂(ばん しげる)氏。ガラス張りの開放的な外観が印象的だ。1階では、オランダと日本のデザイナーが競演する『ユーラシアの庭』が不思議な造形美と空間美で出迎えてくれる。3階ホワイエは、格子状の天井が整然とした空景色を描く。『天庭(あまにわ)』は3人の工芸家による作品で、光差す空間は、天空への入口のようでもあり、どこか別世界へ誘(いざな)う扉のよう。感性を刺激され、にわかに覚える高揚感は貴重な体験に思えた。

SPOT(A)大分銀行 赤レンガ館

  • 大分市府内町2-2-1

  • 097-538-7617(大分銀行総合企画部)

  • Oita Made Shop 赤レンガ本店11:00〜19:00
    タウトナコーヒー 赤レンガ店11:00〜20:00

  • なし

  • 大分空港より車で約60分

SPOT(B)アートプラザ

  • 大分市荷揚町3-31

  • 097-538-5000

  • 9:00〜22:00、磯崎 新建築展示室9:00〜18:00

  • なし

  • 入館無料

  • 共同駐車場あり

  • 大分空港より車で約60分

SPOT(C)大分県立美術館

  • 大分市寿町2-1

  • 097-533-4500

  • 10:00〜19:00、金土10:00〜20:00(最終入場各30分前)

  • なし

  • 一般¥300、高大生¥200(高校生は土無料)、中学生以下無料 ※企画展は別料金

  • 250台(最初の30分以内無料、60分以内¥200、以降¥100/30分)

  • 大分空港より車で約60分

2020年4月1日時点の情報です

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