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吸い物付きの『角ずし・吸物』(¥925)。『元祖 大村角ずし やまと』では5切れが1人前。具材に奈良漬けを使うため、コリコリとした食感が小気味いいアクセントに。

寿司と聞いてまず思い浮かぶのは、おそらく握り寿司だろう。その一方で、滋賀県の『ふな寿司』や奈良県の『柿の葉寿司』をはじめ、西日本を中心に趣向を凝らした郷土寿司が数多く存在する。今回紹介する『大村寿司』もそのひとつ。木製の型にシャリと多彩な具材を敷き詰め、上から重石などでぎゅうっと押して仕上げる。一面に散らした錦糸玉子が目にも鮮やかで、家族や親戚などが集まる席には欠かせないごちそうだ。
そのルーツを、明治時代に創業した『元祖 大村角(かく)ずし やまと』の5代目店主・永田隆利さんが教えてくれた。今からさかのぼること500年以上も前。1474年(文明6年)、大村の領主だった大村純伊は島原と諫早の連合軍に敗れ、現在の佐賀県唐津市沖の島へ逃れていたが、6年後に援軍を得て帰還。それを喜んだ領民たちは勝利を祝うため、ごちそうを作ってもてなそうと考えた。しかし、急なことだったため食器の準備がままならない。そこで頭をひねって生まれたアイディアが実に“お見事!”なのである。もろぶた(長方形の木箱)に炊きたてのご飯を広げ、その上に魚の切り身や野菜の煮物などを彩りよくのせたものを純伊や将兵たちに差し出した。すると脇差で適当な大きさに切り分けて喜んで食べたという。
以来、祝い事に欠かせない郷土の味として、長年愛され続けている大村寿司。100年以上の歴史を誇る『元祖 大村角ずし やまと』では、四角い形状から『角ずし』と名付け、商品として販売を始めた“元祖”として、根強い人気を誇っている。だからこそ、初代店主が考えた味付けを頑(かたく)なに守り抜く。特筆すべきはシャリ。季節ごとに水加減を調整しながらやや硬めに炊いて、酢や砂糖などを合わせる。同じ分量で同じように作っても、人によって味や食感が変わってしまう。そのためシャリ作りは代々、跡継ぎにしか許されていない。一子相伝の味わいには、老舗の誇りが息づいている。

和の風情が漂う落ち着いた空間。

元祖 大村角ずし やまと

  • 長崎県大村市本町474-5

  • 0957-52-3546

  • 10:00〜20:00(LO19:30)、
    持ち帰りは8:00〜20:00(LO19:30)

  • 火、ほか月に1回水

  • 104席(禁煙)

  • 50台(無料)

  • JR大村駅より徒歩10分

2019年8月1日時点の情報です

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